レシピ

カルネバーレの揚げ菓子オンパレード

前回の記事に、エッチな迷惑コメントを書いてくれた
人がいた。ふふん、私のブログも、ようやっと
知人以外の人も見てくれるようになった
証拠かと前向きに考え、さっさと削除。

先週はヴェネチアのカルネバーレ菓子、
その他ベネト地方の取材へ行っておりました。

カーニバルとカルネバーレをなにか
別の物と考えている日本の人は結構多いようだけど、
カーニバルは英語、カルネバーレはイタリア語で
「謝肉祭」を意味する言葉。
4月頃にある復活祭の46日前から断食、つまり
肉断ちをするので、その前に肉をごっそり食って、
仮装なんかもして騒ぎしようや、みたいなことらしい。

いろいろな人がいた。
Carnevale3 Carnevale2_2 Carnevale1

カルネバーレの語源も、ラテン語で
「カルネ=肉」「バーレ=さらば」から
来ているとか。
肉よさらばじゃ~、と言って
おさらばする前に肉肉肉~っといっぱい
食べたくなるのは、さすが肉食人種な
ヨーロピアン。

カーニバルの時期には、各地で揚げ菓子が
でまわるのも、揚げ物=油をたっぷり使う
リッチな料理、ということで、辛く悲しい断食の前に
ご馳走を、という気持ちから生まれたのかもしれない。

ベネチアのカルネバーレ菓子といえば
フリッテッレ・ベネチアーナ」。
まるでドーナツ。
小麦粉、卵、砂糖の生地をビール酵母で発酵させ、
干しぶどうと松の実を入れてお団子状にし、
揚げて砂糖をまぶす。
素朴な味わいだけど、干しぶどうと松の実、って
ところが日本のただのドーナツと、
ベネチアのカルネバーレ菓子の
違いであって、おしゃれ感がただよいます。
Frittelle_v_2

かの昔、ベネチアが世界一の海運国として
栄えた頃にも、フリッテッレを頬張りながら
「おお、異国から船でやってきた干しぶどうよ、
松の実よ」と珍重し、断食前の一時の
幸せに浸っていたのかな。

でもね、ベネチアのお菓子屋さんは
どこも観光客相手であんまりおいしそうじゃないので
私はベネチアから電車で一駅のメストレにある
(ここもベネチア市内)名店「Pasticceria PETTENO」
で取材させてもらったのである。ほんと、
ふんわりと柔らかいドーナツみたいでおいしかった。

一方、北イタリアの各地では、
小麦粉と砂糖に卵とバター少々を入れ、
白ワインとか、地方によってはグラッパなどで
風味を付けた生地を薄くのばして揚げたお菓子
「ブジエ」がポピュラーなカルネバーレ菓子。
ただし各地方それぞれで
全く違う名前で呼ばれているので要注意。

ピエモンテではブジエ、
ミラノのあるロンバルディアではキアッケレ、
そして今回のベネチア地方では
ガラニと呼んでいた。
Bugie

薄くパリパリっと仕上がっているものはとても
おいしくて次々に食べてしまうけれど、
揚げてあるのでとても危険。
おいしくない店のはボテッと分厚い。
ヘルシーを狙って「当店のは揚げずに、
オーブンで焼いていますよ」と謳う店も
増えているけど、うーん、これじゃビスケット
だよね、みたいなのが多い。
というわけで、ブジエのレシピ。

Bugie

材料(できあがり約50枚程度)

小麦粉          250

砂糖           15g

バター          40g

卵            1個

白ワイン        50cc

レモンの皮のすりおろし 1個分

揚げ油         適量

グラニュー糖、または粉糖 適量

作り方

    材料を全て混ぜ合わせ、
ひとまとめにしたら冷蔵庫で30分休ませる。

    できればパスタマシンを使って、極薄にのばす。
好きな形、大きさに切る。

③ 160度程度の低温の油で、ほんのりときつね色になるまで揚げる。
  ペーパーの上にひきあげ、グラニュー糖または
  粉糖を好みでふりかける。
  180度に熱したオーヴンで焼いてもよいけど、パリパリ感は
  やっぱり揚げた方がいい感じだよ。

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ポレンタ、そしてイタリアの風邪処方

今年のヨーロッパは本当に寒くて、
只今12月に続いてまたまた大寒波襲来中。
あまりの寒さに、ついつい更新まで
さぼりがちに(何の関係が??)
で、連日夜はマイナスに下がるので、
バルコニーにおいた野菜を急遽室内に避難(凍るから)。
冬場の冷蔵庫は食品を凍らせないためにある、という
北海道の暮らしを垣間見た気持ち。

Piazza









さて、この寒さに対抗するにはやっぱり
バーニャ・カウダ、そしてポレンタである。

バーニャ・カウダは何しろニンニクを
一人一玉も食べるんだから、精も付いて身体もホクホク。

ポレンタはトウモロコシの粉を塩味の湯、
またはブイヨンなどで煮込んでドロドロにした粥状の食べ物。
普通は黄色だけど、ヴェネチアのあるヴェネト地方にいくと
白いトウモロコシで作るので、白いポレンタだ。
どんな味がするかというと、
ほんのりトウモロコシの甘い味と薄い塩味。
ニュートラルな味なのでしょっぱいおかずとは
だいたい何にでも合う。
日本人がカレーをご飯と食べる、そんな感じ。
イタリア人はポレンタに牛肉の赤ワイン煮込みとか、
生ソーセージのトマト煮込みとか、
イノシシとフンギポルチーニの煮込みなんかを
かけて食べる。
ヴェネチアならイカ墨煮を添えたり。
チーズ好きのピエモンテーゼ(ほとんど全員)は
ゴルゴンゾーラを熱々のポレンタに
のせて食べる。チーズがトローリとろけて、
塩味がほどよくついて、それはそれはうまい。
Polenta_2  身体も温まり、腹は満足。

この写真は手前がポレンタ、
奥にあるFondutaという
チーズソースをかけて食べる。
これも典型的な食べ方。

ある時、ポレンタ好きの
イタリア人家庭に招かれて
ポレンタをご馳走になった。
「一皿目は普通にね」と
その家の女主人が言うままに、
スープ皿にポレンタどかっ、
イノシシの煮込みどろーり、
と盛ってもらう。

「二皿目はゴルゴンゾーラで」
「三皿目はパルミジャーノと牛乳をかけて」
そんな調子でポレンタを4皿。
腹は満足を通り越して、はち切れる。

ちなみにポレンタは固め(水分少なめ)に作って
時間が経つと固まってくる。固めのポレンタを
熱いうちにどろーりと台の上に流し出しておくと
ケーキのように固まるから、それを切り分けて食べる方法も
あるけど、私は断然、ゆるめの方がおいしいと思う。
Polenta_2_6 だけどゆるめは
作ったらすぐ
食べないとだめなので、
レストランでは
あまりお目にかかれない。
食べてみたい
日本の人は、
自分で作ってみるか、
北イタリア人の
友達を見つけるしかないかな。

さて、こんな具合にお腹をいっぱいにして精をつけても
寒い冬はやっぱり風邪をひく。
イタリア人にはビタミンCが足りないと
抵抗力が低下して風邪を引く、といったような知識が皆無で、
一般に「風にあたると風邪をひく」と思っているらしい。
オヤジギャグじゃないよ。

イタリアのお母さん達は冬中子供達をミイラのように
マフラーやダウンや毛布でぐるぐる巻きにして外出させる。
娘がまだゼロ歳児だったとき、毛糸の帽子をかぶせずに
お散歩に行ったら、知らないおばさんに「帽子をかぶせて、
お願い!」と言われた。お願いって、あなたは誰?

夏だって風は大敵だ。ある友人が耳にして、
自分の耳を疑うと同時に爆笑したというのが
「こらこら、走っちゃだめよ、走ると風にあたるから」と
どこかのお母さんが、子供に言っていたという言葉。
自分で走って起こした風にあたっても風邪を引くなんて!
イタリアには「子供は風の子」という言葉は存在しないのです。

そんなイタリアのマンマたちが
風邪を引いた我が子や家族に飲ませるのが
「サルビアレモン」そして「ヴィン・ブルレ」。

サルビアは日本で言うセージ。殺菌力の強い
セージの葉と、ビタミンCの豊富なレモンを
蜂蜜と一緒に熱湯で溶いて飲む。
身体も温まって、喉の痛みなんかにもいい。
ビタミンCと言う言葉は知らなくても、
昔ながらの知恵として、おばあちゃんから
受け継がれてきたレシピなのだ。

そしてイタリア版卵酒のような存在が
ヴィン・ブルレ。いわゆるホットワインだが
オレンジやレモンの皮、そしてシナモンやクローブなどの
スパイス、ショウガなんかも入れて煮立て、
甘くした赤ワインだ。
酔っぱらうぞー、とイタリア人は言うけれど、
正式なレシピを見ると10分間煮立てるとあるので
それならアルコールは飛んでいて、
お子様でもいけるのではないか。

甘くてスパイシーで、養命酒のようなワインです。
ぜひ、お試しください。

Vin Brule'の作り方

材料 

安い赤ワイン 1本(750ml)
砂糖 または蜂蜜 60gぐらい
シナモンスティック 1本
オレンジ 1個
レモンの皮 1個分
粒黒コショウ 10粒ほど
ナツメグ ひとつまみ
クローブ 2-3粒
しょうが 一かけ
ローリエの葉 1枚
セージの葉 4-5枚
ローズマリー 一枝

作り方

オレンジをよく洗って輪切りに。レモンは皮の黄色い部分だけをむく。以上の皮、オレンジと共にすべての材料を鍋に入れて10分ほど煮立てる。漉して、飲む前に再度沸騰させて熱々をいただく。

すべての材料がそろわなくてもおいしいけれど、
それだけ薬効は減るかもしれません。

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バカンス後記 その2 ノーリのアッチューゲ屋

リグーリア州のノーリという海辺の町で
バカンスしました、という話だった。
トイレ談義で中断してましたが。

さて、このノーリという街には魚屋が一軒だけある。
魚屋には漁師が浜で売っているような、
イキはとびきりいいけどいったいこれは何?というような
玄人向けの魚でなく、クロダイとかシャケとか
海老といった、メジャー系が売られている。
だがこの店で買うべきはそんな魚じゃない。
アッチューゲだ。

アッチューゲとはアンチョビのことだけれど、
日本人が一般的に馴染んでいるオイル漬けのそれじゃない。
塩漬けなのだ。頭と内臓をガーッと手で取っただけの
カタクチイワシを樽に並べ、粗塩に埋め込むようにして
漬け込んだ自家製アッチューゲは、
使うときに
一尾ずつ手開きして骨をはずし、
腹の中に残っていた内臓やガビガビに固まった
塩を洗い流すという手間がかかる。
手間はかかるけど、そのおいしさといったら
オイル漬けとは比べ物にならない。

Acchiuga_4 特にこの魚屋では、
お父ちゃんが漁に出て、
夏の終わりの脂ののり具合が
ちょうどいい(あまり脂がのったのは
だめだそうだ)やつだけを、
お母ちゃんが漬けむ
100%ホームメイド。
身は
刺身のようにツルリとした
舌触りなのに、発酵食品独特の
うまみもある。身がオイル焼けして
パサパサでしょっぱいだけのアンチョビとは全くの別物。
発酵食品研究の大家、小泉武夫先生にも
ぜひご試食いただきたいものです。

イタリア人はこれをそのまま前菜にしたり
料理に使ったりする。そうそう、前にここで書いた
バーニャ・カウダ、まさにあれは、このアッチューゲを
使った料理の代表選手の一つ。

でも日本人の私はこれを一切ペロンと
炊き立てご飯にのせる。ああ!
熱々のご飯
極上の塩辛にも似たおいしさで、ご飯がすすむこと!
いつもは玄米ヘルシー派の私も、
これをする時は白米に限ります。

とはいえ、私もイタリア在住の料理研究家の
はしくれでもあるので、イタリア料理としても
このアンチョビを活用する。今の時期、絶対外せないのは
プチピーマンの詰め物入り オイル漬け」。
Photo_2 Photo_3 8月の終わりから9月一杯ぐらいまで、
市場でよく見かける、一見プチトマトのような
小さくて真っ赤なピーマン。
この中身をくりぬいて、
酢水に一昼夜漬けておき、
翌日水気を切ったところへ
アッチューゲと、これも塩漬けの
ケッパーを適宜詰める。
ケッパーはもちろん
パンテレリアの上等なやつ。

それを瓶に詰め込んで
オリーブオイルで満たしたら、
数日後から食べられる。
シャキシャキとした
漬物感覚の歯ごたえ、
ほんのちょっぴりの辛味、
酸味、そしてアンチョビとケッパーの塩味と旨味が
溶け合って、最高のおつまみ。
こちらはワインがぐいぐい進みます。

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バーニャ・カウダ レシピ

Bagna Caoda

(あんまり)臭わないバーニャ・カウダの作り方

バーニャ・カウダを作って食べると、家の中も、お口の中も

にんにく臭プンプンになるので、現代のピエモンテ人は

食べなくなった人も多いそうだけど、このレシピなら

(そんなにわ)臭わない。私は臭くても平気で

食べてるけど。

材料(4人分)

にんにく 2個

塩漬けのアンチョビ 4尾(なければオイル漬けのもの 8切れ)

オリーブオイル 適量

牛乳と水 適量

作り方

①にんにくの皮をむき、一カケずつ芯を取り除いたら、

鍋に牛乳と水とともに、にんにくがヒタヒタにかぶるぐらい入れて

弱火で煮込む。

手で簡単に潰れるぐらい柔らかく煮えたら火を止め、

ザルなどにあけて水気は捨てる。

②骨を外し、塩を洗い流したアンチョビ

(オイル漬けのものならそのまま)と①のニンニクを

ミキサーにかけてペースト状にする。

ミキサーがなければ、鍋にたっぷりのオリーブオイルとアンチョビを入れ、

超弱火で加熱していくとアンチョビが溶けるので、

そうしたらニンニクとあわせ、すり鉢などでペースト状にする。

③ペースト状になった②にオリーブオイルを加えてのばす。

濃さは好みだで、ドロッとしたソース状でも、シャバシャバでも。

これを火にかけて10分ほど煮込む。少量の牛乳を加えると

ソースが乳化して分離しにくく仕上がる。

こうしてできあがったソースを、

専用の器に入れて野菜と一緒に食べる。

器は上半分にソースが入り、下半分が空洞になっているところへ

固形燃料を入れてソースを温かく保てるようになっている。

温かいソースのことを、ピエモンテ方言で

バーニャ(ソース) カウダ(温かい)という、

いたってシンプルなネーミング。

一緒に食べる野菜は生で行くのが

キャベツ、セロリ、カラーピーマン、ウイキョウ

(イタリア語でフィノッキオ。なぜかゲイを意味する隠語でもある)

カリフラワーや、カルドというピエモンテ特産のセロリとふきの

あいのこのような野菜。

じゃがいも、たまねぎ、カラーピーマン(生と両方ね)は

オーブンでホクホクに焼いてモリモリ食べる。

ビーツをゆでたやつなんかも定番だ。

このレシピは後日イタリア語も堪能になった私が、

生粋のピエモンテーゼのおばちゃんや、シェフたちに教わったものを

私なりにまとめたもの。

ちなみに分量は、日本人のお腹の容量に合わせて

半量にしてあります。

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