トップページ | バーニャ・カウダ レシピ »

バーニャ・カウダ

ピエモンテの代表的な郷土料理、といえば「バーニャ・カウダ」。Bagna_15_2

にんにくとアンチョビで作ったソースを、

いろいろな野菜につけて食べる冬の田舎料理で、

にんにく好きで発酵食品大好きな日本人には、

とてもおいしい。

最近はピエモンテにやってくる日本人観光客も

料理人も増えたようで、あちこちの

サイトや雑誌でバーニャ・カウダのことを書いているのを

みかける。

それにしてもあちこちで書かれているバーニャ・カウダのレシピはひどい! 「材料 一人分 にんにく 1カケ」と必ず書いてある。

4人分なら4カケだ。

もう、これは不思議なぐらい何を見ても同じだ。

でも、バーニャ・カウダの本物を知っている人ならわかると思うけど、

あれはにんにくをすりつぶしてオリーヴオイルでのばした

ドロドロのソースを食べるもので、

その量といえばご飯茶わんに1杯ぐらいは食べる。

主役は野菜じゃなくてにんにくソースなのだ。

形状はにんにく色ポタージュといったところ。

オイルににんにく風味が軽くついているとか、

東京の高級レストランみたいにほんの気持ちだけ、

おしゃれに食べるんじゃない。

にんにくドロドロのソースを野菜ですくってどんぶり一杯ドバーン、

と食べる。臭くたって食べる、胸やけしたって食べる。

そんなものがたった1カケのにんにくでできるわけがない。

いったいこんないい加減なレシピ、

誰が書いたんじゃ~、と息巻いてみると、

それは私です。すいません。

私がピエモンテに料理修業にやってきたのは、今から14年前のこと。

イタリア語はできなくてもいいよと留学先の料理学校にいわれて

軽い気持ちでやってきた。

だからわかるイタリア語といえばウノ・ドゥエ・トレ・チャオだけ。

それなのにある時バーニャ・カウダのおいしさに感動して

原稿に書いてしまった。辞書と首っ引きで

ピエモンテ伝統料理の本や資料を読み漁り、本にまで載せてしまった。

その時、書いてしまったのである。

「材料 一人分 にんにく 1カケ」と。

その時に使った、権威あるイタリア郷土料理の本を今見てみると、

「材料 一人分 にんにく ひとたま」とある。

でも14年前、イタリア語もイタリア料理もド素人だった私の頭は、

「ウナ・テスタ・ディ・アーリオ?(にんにく一玉)

そんなはずはない。え? しかも一人に一玉、

お鍋にも一玉って書いてあるよ、まさか、紅茶じゃあるまいし」と、

一笑に付し、「一カケ」と判断してしまったのである。 

そのレシピを掲載して出版した『ピエモンテのしあわせごはん』

(メディアファクトリー刊・当時は島津さやかというペンネーム)

という本は、おかげさまで今では絶版。

でもきっとその当時、ピエモンテに行ってみようとか、

ピエモンテ料理を勉強してみようなんて思った

マイナー思考の人からは、

ちょっとぐらいは重宝されたに違いない。

おお、なになに、バーニャ・カウダのレシピがのってるぞー、なんて。

そして、それを丸写しにして原稿を書いた人がどこかにいたのだろう、

そしてまたそれを見てっというふうに、

間違いは間違いを呼び、

今ではバーニャ・カウダの日本における

公式レシピみたいになっちゃっているのだ。

というのは大げさ、自意識過剰としても、

Bagna_11_2 いやいや、恥ずかしい話です。

というわけで、ちゃんとしたレシピは次回。

|

トップページ | バーニャ・カウダ レシピ »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

食べ物にまつわる話」カテゴリの記事

コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 履歴書の見本 | 2013年11月16日 (土) 17時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: バーニャ・カウダ:

トップページ | バーニャ・カウダ レシピ »