ガストロノミー・ジェラート番外編

ちょっと長いことサボってしまったけど、

またこのブログ、再開しようと思います。

前に読んでいてくれた方も、

新しく来てくれた方も、

どうぞよろしくお願いします。

 

というわけで。

 

7月の後半に、「ガストロノミー・ジェラート」尽くしの

ディナーを食べる機会があった。

えー? なにそれ? と思った方、

詳しくは本日アップされる「クレア・トラヴェラー」WEBページを

ご覧ください(笑)

http://crea.bunshun.jp/articles/-/20587

でもちょっとだけ、ここでも。

Img_7277_2

これはその時食べた中でも、一番印象的だった一品。

カンタレッリというクレープ状の生地に

カタクチイワシのマリネを巻いて、

そこに赤タマネギと赤ワインヴィネガーで作った

ショッキングピンクのジェラートを添えて

プリモ・ピアットに仕立てたというもの。

つまりガストロノミー・ジェラートとは、
ジェラートをお菓子としてではなく料理に使うということ。
料理の中で主役だったり、溶けてソースになったり、
冷たいアクセントになったりしながら、
料理の表現方法を色々と広げるというわけです。

それでこの、プリモ・ピアットとしてサービスされた
お料理は、甘くて酸っぱくて爽やかで、
本当に美味しかった。
詳しくは本日アップされる 
「クレア・トラヴェラー」WEBページを
ご覧ください(しつこい・笑)

ガストロノミー・ジェラートという言葉を
私が最初に聞いたのは今年の1月、
リミニで毎年開催されるというジェラートW杯の
審査員になってくださいと頼まれて、
なぜ!私が?? と言いながらも
ノコノコ出かけて行った時だ。

私たち外国人ジャーナリスト審査員チームが
審査するお題目が「ジェラート・ガストロノミコ」、
つまりガストロノミー・ジェラートだったというわけ。
世界12チームが参戦していたのだが、
日本チームは粗挽きマスタードのジェラートを
和風アントレに仕立てたり、
フランスチームはロブスターのジェラートを
サブレ生地に詰め、アーティチョークと
家禽類に合わせたりしていたっけ。

Fullsizerenderおフランスチームの作品

Img_4408_2 日本チーム入場中

ガストロノミー・ジェラート・ブームの仕掛け人は、

イタリアの業務用ジェラートマシンの最高峰「カルピジャーニ」社。

最近では砂糖を使わなくてもクリーミーでなめらかな

ジェラートが作れる機械を開発したそうだ。

それは当然ガストロノミー・ジェラートにも

大きく関係するわけだけど、

ヘルシーにしたいけど美味しさも捨てたくない、

という人たちに大きな朗報なのだ。

砂糖を使わないというのは、甘味料で代用して甘味を出せば

済むという単純な問題じゃなく、

ジェラートの滑らかさやクリーミーさなどの

質感を出すにも砂糖は大きな役割を担うから、

それを機械が解決してくれるというのはすごいことなのだ。

そんなわけで、仕掛け人はカルピジャーニなんだけど、
実はもっと前に、料理にジェラートを使ったシェフがいて、
私も食べていたのでした!!

ミラノ郊外で予約の取れない超人気店だった

D’O」(ド、と読みます)の
ダヴィデ・オルダーニシェフの伝説の名作

「タマネギのカラメリゼ 
パルミジャーノ・チーズのジェラート添え」がまさにそれ。

ダヴィデ・オルダーニというシェフは

料理の写真を撮るなとイチイチ文句を言いにテーブルを回ったり、

私が料理の専門雑誌の取材を申し込むと

「そんな小さいスペースの記事ではヤダ」と断ってきたりする

鼻持ちならないやつだったけど、

料理は素晴らしく、手頃な素材で上等な料理を作るという

アイデアも素晴らしかった。

ちなみに「人気店だった」「素晴らしかった」と
過去形で書いているのは
お店がなくなったわけでもシェフがいなくなったわけでもなく、
2年前に新しいお店にリニューアルしたからだ。

お店のサイトはこちら。

http://www.cucinapop.do/en/cucina-pop-en

で、彼の、そのタマネギとパルミジャーノ・チーズという
イタリアならどこの家庭でも絶対にあるはずの材料で
作り上げた、レストランでないと食べられない小難しい料理、が
タマネギのカラメリゼ ジェラート添えだった。

シンプルな料理がもてはやされる昨今だし、
シンプルな料理は美味しいのだけど(素材が良い場合に限る!)、
プロにしかできないすごい技が凝縮された
すごい料理を、正当な対価を払っていただく、
それがレストランの楽しみの一つであると思う。

で。
蒸して甘みを増した半割りのタマネギ、
カリッと口の中で壊れる苦甘のカラメル、
そこに溶け出すパルミジャーノ・チーズの
しょっぱ味と旨味が凝縮されたジェラート。

もう10年近く食べていないけれど、
あの美味しさ、鮮烈な衝撃ははっきり思い出せる、
そんなパワーのある味であり、
元祖ガストロノミー・ジェラートだったんだなあ、
久しぶりに食べに行ってみようかな、なんて
考えているところです。

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